バレーボールはここ数年で専門用語が増えてきました。その中でよく聞かれるのが「レセプション」と「ディグ」の違いって何?ということ。かつてはどちらも「レシーブ」と呼ばれるプレーだったものです。
今回はこの2つの用語の違いと、そしてなぜ新しい用語を使うようになったのか、その効果とは何か、という説明をしましょう。
サーブを受けるプレーがレセプション、アタックを受けるプレーがディグ
これが答えです。チャンチャン。
いやいや、もうちょっと詳しく説明します。
レセプション
相手からのサーブを受けるプレーのことをいいます。これはサーブレシーブと同義。加えてサーブを受ける状態を指すこともあります。「次はレセプションだよ」と言えば、プレーそのものではなく、相手にサーブ権がありサーブを受ける状態のことになります。
ディグ
アタックを受けるプレー、全般に使われます。サーブを受けるプレー以外は全てディグと考えてください。
「ディグが良い」というと強烈なスパイクを拾うイメージがありますが、フェイントやツーアタックを上げるプレーもディグにあたります。ブロックされたボールを上げるのもディグとなります。
なぜ新しい用語を使うのか
今までの「レシーブ」でいいじゃん、と思った方、なぜ新しい用語が必要なのかを説明します。
戦術進化
野球好きの方、ここ数年でセイバーメトリクスという概念が定着しましたよね。OPS(打者の評価指標)やQS(先発投手の評価指標)、WAR(投手と野手どちらでも並べて評価する指標)などはもう一般的になってきました。
サッカー好きな方、10年程前によく聞くようになった「ボランチ」という言葉。今では同じようなポジションなのに「アンカー」という言葉が使われることもありますよね。
野球やサッカーで新たな用語が登場する時、それは戦術・戦略に進化した時と言えます。それまでの価値観がガラッと変わり、旧態然とした考えが通用しなくなってきているのです。
つまり用語を知ることは、進化した戦術を知ることなのです。逆に言うと、新しい用語を知らないままだと戦術がアップデートされません。バレーを見る目が無い、と判断されてしまいます。
練習の変化
新しい用語は練習の変化にも繋がります。それまでは「レシーブ練習」として一括りにされてきた練習が、「サーブレシーブの練習」「ディグの練習」と細分化されることにより、練習の目的意識が変わります。
サーブレシーブとディグは全く違う技術と感覚が必要なプレーです。これは経験者なら分かるのではないでしょうか。「ディグはある程度できるけど、サーブレシーブはチョー苦手」こんな人も多いはず(私のことです)。
それはサーブレシーブ、ディグと別の練習をする必要がある、ということです。
用語を細分化することにより、目的意識のはっきりした練習となります。それは上手くなるためにはどうしたらいいからという分析が出来ている、ということ。
「レシーブが駄目だった」と敗因を語るだけだったのが、「サーブレシーブが駄目だった」に変わることで、練習はより高度になり濃度が高くなるでしょう。
用語を知るということは、練習の目的意識が変わり、上達が早くなるのです。
用語を知るには
さて、では最近の用語を知るにはどうしたらいいか。ハイキュー!!がオススメ。
ハイキュー!!は漫画として面白いのはもちろん、新しいバレー用語がたくさん登場します。漫画のいいところは分かりやすい絵があること。テキストだけでは伝わらないことが漫画だとスッと頭に入ってきます。
スラムダンクでバスケに詳しくなった方も多いように、ハイキュー!!を読んでバレーボール用語に強くなりましょう。
現役のバレーボールプレイヤーでも用語には疎くて、未だにレセプションを説明できない人もいます。ハイキュー!!人気にあやかりバレーブームが来そうな今、用語を覚えることはバレーの底辺を盛り上げるために必要なことだと考えています。
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