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【初心者向け】バレーボールのポジションと役割を整理する

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「ポジションどこ?」

バレーボールのプレイヤーなら何度も訊かれたことがあるであろう、この質問。ただ、一口に「ポジション」と問われても、いろんな使い方があるんですね。

私は「サイド」とか「レフト」とか適当に答えていますが、答えながらいつも違和感を感じています。それはバレーボールの特徴であるローテーションというルールによって、ポジションがグルグル回るから。6人制バレーはサイドアウトするたびにポジションがコロコロ変わるんですよ!

で、最初の「ポジションどこ?」で訊かれているのは、厳密には「役割」のことなんです。「(主に)どんな役割のプレイヤーですか?」というのが質問の意図なんです。

つまり、「セッター」とか「アタッカー」とかが答えとしてシックリくるわけですが、

  • レフトはアタッカー
  • センターはブロッカー

というイメージが定着しているため、「レフト」と答えておくと、主にアタックを得意とするプレイヤーなんだな、というのが伝わるわけです。

この「ポジション」と「役割」は明確に区別されることなく使われてきました。

全日本などのトップクラスの選手は「ウイングスパイカー」「ミドルブロッカー」「セッター」「リベロ」と紹介します。これは「役割」ですね。対して趣味としてバレーをしている方々(以降、サークルレベルと記す)は「レフト」「センター」「セッター」「リベロ」など、ポジションと役割をごちゃ混ぜにして使っていることが多いです。

ここらでポジションと役割について整理しとこうや、というわけでこの記事を書き始めました。
※6人制バレーに限った話です。

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なぜ「ポジション」と「役割」を区別する必要があるのか

最初に皆が思う疑問、なぜ「ポジション」と「役割」を区別する必要があるの??について説明しておきましょう。

バレーボールの理解が深まる

何でも理解するには言語化が必要です。バレーボールとて例外では無い。

例えばトップレベルとサークルレベルの「ライト」に位置するプレイヤーや全く役割が異なるんです。トップレベルではアタックの打数が1番多くなる「スーパーエース」と呼ばれる役割を与えられることが多いですが、サークルレベルだと逆に1番打数が少ないポジションだったりします。

これは戦術と密接に関わっています。

トップレベルではバックアタックを当たり前の戦術として組み込んでいるんですね。セッター対角となるライトプレイヤー ≒ オポジットにバックアタックを打たせることで、セッターが前衛のときも最低でと3枚のアタッカーを揃えることができるようになります。

こうした戦術的な話題は、用語の意味を知っておくと理解が深まります。「ポジションと役割は違う」と知ることは、より戦術的にバレーボールを考えることなのです。

戦術的思考が高まる

「レフト」というのはポジション(位置)を表しているだけであるのに、そこに「アタックが得意」というように役割まで与えてしまうと、「レフトはアタックが得意でなければいけない」という固定概念に囚われてしまいます。セッターは「ライト」という考えも同じ。

固定概念に囚われていると、チームの戦術幅が狭くなります。

センターセッターという戦術もありますし、チーム事情によってはレフトがセッターをしても良いんです。その可能性を最初から潰してしまうのが、「ライトセッター」という固定概念。

もちろんライトセッターは合理的な理由があります。

右利きが多いからレフト側からの攻撃を得意とするプレイヤーが多く、レフトはアタッカーを配置した方がよい。

せっはレフト側にセット(トス)をすることが多い。レフトを向いて上げるためにはライト側から走り込んでセットするほうが楽(レフト側からだと、体を反転させる必要がある。

など。

ライトセッターはセオリーとしては知っておくべきです。しかし、無思考でその概念を受け入れるのは良くない、というかもったいない。

セッターはライトで無くてもいいのでは?
エースアタッカーをセンターに置いてみるのは?

ポジションと役割を区別すれば、いろいろなパターンが浮かぶようになります。戦術の幅も広がります。こういうの考えるのって楽しいですよ!

ちなみに私の高校時代のバレー部では、ダブルセンターセッターを練習しようとしていました。運動神経の良いセッター2人、センターに配置することでブロックの軸となってもらいつつ、サイド攻撃が得意な残り4人を活かそうとしたのです。まぁ、セッター2人の負担が大きすぎて途中で頓挫しましたけどね。

ポジションは「位置」を表す用語

ポジションは端的に言えば「位置」です。バレーボールはラリー開始前のポジションがルールにて厳密に決められていますが、ラリー開始後は後衛の制約以外はフリーです。

「ポジション」という用語を使う場合、ラリー前の位置のことか、ラリー中の位置のことかをハッキリさせておく必要があります。

多くはラリー中の位置で「ポジション」と使われており、ここでもラリー中のポジションについての説明となります。

前衛(フロント)・後衛(バック)

6人制バレーでは3人が前衛、3人が後衛となります。後衛はアタックラインを踏んでのアタックヒットが禁止されるなど、プレーに制約があります。また、前衛・後衛は前後の位置関係であり、横との位置関係も含めて表すこともあります。

前衛レフト(フロントレフト)
後衛ライト(バックライト)
など。

レフト

ネットに正対したとき、左側に位置するプレイヤーです。

主にアタックが得意な選手を配置することが多いです。その理由は右利きの選手がアタックをしやすい位置であり、右利きの選手が圧倒的に多いから、です。

また、バックレフトは最も強打が多いポジションでもあります。そのため、チーム1ディグが得意なプレイヤーをバックレフトに置くような配置も頻繁に見られます。

レフトにアタッカーが多い理由

「右手(右腕)を利き手とする人が多い」という説明が一般的ですが、右目を利き目とする人が多いことも関係あると言われています。

センター

ネットに正対したときに、中央に位置するプレイヤーです。

前衛では中央の位置からのアタックに加え、ブロックの軸となるポジションです。左右どちら側へもブロックへ行ける機敏さを求められますね。

後衛では深い位置のアタックへの対処を要求されます。また、センターからのバックアタックができるとチームとして戦術の幅が広がるポジションでもあります。

ライト

ネットに正対したときに、右側に位置するプレイヤーです。

主にセッターをこの位置に配置することが多いです。理由は何度も書いていますが、右利きのアタッカーを活かすためですね。

ライトは面白いポジションで、チーム事情がモロに出ます。セッター、ウイングスパイカー、スーパーエース、ユーティリティ、ユニバーサルなど、チームの方針によってその役割が異なるポジションです。

ライトにどんなプレイヤーを配置しているかをみると、そのチーム事情が見えてきます。地味なイメージもあるライトですが、観戦時はどんなライトプレイヤーなのかを見るのもオススメです。

オポジット

オポジットは「セッターの対角」のポジションです。上に書いたようにセッターは主にライトに位置することが多いため、ライトポジションに入ることが多いです。

しかし、意味としてはあくまでもセッター対角。センターセッターならば、オポジットはセンターとなります。

オポジットについては、こちらの記事で詳細に説明しています。

【バレーボール】オポジットとは?を初心者にも分かりやすく説明する

役割

役割とは「どんなプレーをするのか」どんなプレーを求められているか」を表します。バレーはローテーションしラリー中は好守も頻繁に入れ替わるため役割は次々に変わっていきます。

バレーボールは大別すると6つのプレーに分けられます。

  • サーブ
  • レセプション(サーブレシーブ)
  • セット(トス)
  • アタック(スパイク)
  • ブロック
  • ディグ

これらをするプレイヤー、もしくはしようとするプレイヤーが役割に当たります。

サーバー

サーブを打つ人ですね。サーブを打つ役割のプレイヤー。サーブを打たないとバレーボールは始まりません。

レシーバー

レシーバーはレセプションをする人。広い意味ではパスする人全般を指しますが、限定的には相手サーブを受ける役割の人を指します。

相手アタックを受ける人は「ディガー」ですね。(後述)

セッター

セットをする役割。ポジションと混同されますが、セッターはあくまでも役割です。

トスは「上に放り投げる」という意味。「ボールを配置する」という意味のセットをするのがセッターです。こう考えると、トサーとセッターには大きな違いを感じますね。

アタッカー・スパイカー

相手コートに返すプレー全般をアタックと呼びます。そのアタックをする役割の人がアタッカーです。

スパイクは強打で返すプレーであるため、アタックとは意味が異なります。しかし、相手コートに返して得点を取るには強打が必要であるため、アタッカーとスパイカーはほとんど同じ役割と言っていいでしょう。

ブロッカー

ブロックをする人、これがブロッカーです。ブロックはキルブロック(相手のアタックをシャットアウトし得点を取るためのブロック)だけでなく、コースを限定させる目的や、ワンタッチでアタックの威力を弱らせる目的もあります。

ディガー

ディグは相手のアタックを上げること。相手のアタックを上げる役割の人がディガーですね

ポジションと役割を合わせたもの

ここまで説明してきたポジションと役割を合わせたものが、以下の用語です。トップレベルではこの表記が当たり前になりましたので、目にする機会が多いかと思います。

しかしサークルレベルのバレーチームでは使うことが少ない用語も。あまり浸透していない用語も含めて覚えておくと、バレーの見方が分かってくるかと思います。

ウイングスパイカー・サイドアタッカー・アウトサイドヒッター

ウイング・サイド・アウトサイド、いずれもネットの端(アンテナ付近)の位置で、アタックをする役割を担います。スパイカー・アタッカー・ヒッターもほぼほぼ同じ意味です。

WS:ウイングスパイカー
SA:サイドアタッカー
OH:アウトサイドヒッター

このようにアルファベット2文字で表すこともあります。

ミドルブロッカー

ミドルとセンターは同じ意味。ネット中央付近から、ブロックをすべく構えているプレイヤーをミドルブロッカーと呼びます。

実際には状況に応じてサイドに寄ったり(デディケートシフトと呼びます)、前衛の3人全員が中央付近で構えたり(バンチシフトと呼びます)することがあります。このブロック戦術の中核を担うのがミドルブロッカーとなります。

セッター

役割での説明と同じ。

リベロ

リベロは後衛というポジションであり、レシーバー・ディガーという役割を担っています。

レシーバー・ディガーとあえて書きましたが、これは思い込みが過ぎるかもしれません。というのもリベロがレシーブやディグ専門である必要がないからです。

リベロが守備専門職となることが多いのはプレー制限があることが理由です。と考えると、リベロというはただのポジションだというのが正確でしょう。

リベロについては、こちらの記事で考察しています。

【バレーボール】リベロの役割とリベロ廃止論の理由

ピンチサーバー・ピンチレシーバー・ワンポイントブロッカー・ワンポイントセッター

ピンチと言うと劣勢の情勢をイメージしますが、実際は「重要な場面」という意味です。

例えばどうしてもブレイク(サーブからの得点)が欲しいとき、に出るのがピンチサーバー。どうしてもサーブが拾いたい場面で出るのがピンチレシーバー。どちらも勝っているときでも起きうることなので、重要な場面でのワンプレーを期待されるプレイヤーをピンチサーバーやピンチレシーバーと呼びます。

状況に関係なく特定のローテで出場する場合は「ワンポイント」のほうがしっくりきます。ワンポイントブロッカー、ワンポイントセッターのように使われます。

スーパーエース

セッターの対角に位置し、チームで1番の打数と得点を求められるのがスーパーエースです。

バレーボールにおけるエースは、主にレフト側のウイングスパイカーが担っていました。

しかし、バックアタックという攻撃戦術が定着すると、セッターの対角(オポジット)にバックアタックが得意な戦術を置くようになります。それは、セッターが前衛のときにも3人以上のアタッカーを揃えることができるため、です。

バックアタックが得意なプレイヤーとはチーム1のアタッカーである場合が多いです。そこで、レフト側のアタッカー(エース)を超える存在ということから、「スーパーエース」と呼ぶようになりました。

ユーティリティ・ユニバーサル

セッター対角(オポジット)にはスーパーエースだけでなく、チームの事情に合わせたプレイヤーが配置されます。ユーティリティやユニバーサルもその1つ。

ユーティリティは便利な選手、という意味。チームの弱点を補うような役割を担います。

ユニバーサルは万能な選手のこと。何でもソツなくこなして、状況に応じてバランスを取る役割を担います。

まとめ

バレーボールのポジションは用語が乱立しているように思えます。しかし、1つ1つを丁寧に見ていくと意味や役割の違いがあったり、戦術の移り変わりが見えてきます。

記事中で何度も触れましたが、オポジットの役割はチーム戦術をよく表しているので、見るべきポイントの1つです。また、センターの位置は背が高い選手をセオリーとしていますが、これもチーム事情に合わせて変えていく必要があります。

用語を理解することでバレーボールの見え方も変わってきます。プレイヤーとして上達もしますし、観戦してても楽しくなります。

今後も戦術の変化と一緒に新しい用語が生まれてくると思いますので、注視していくつもりです。みなさんもポジション用語について改めて考えてみてください。

コメント

  1. 武田優香 より:

     私はティガーというポジションに興味を持ちました。私は背が低いので相手のアタックをブロックしたり、アタックするのは難しいと感じました。
    ティガーというポジションは、相手のアタックを上げる役割で直接ポイントを取ることができなくても、ボールを仲間に繋げることができるのというところに私は興味を持ちやってみたいと感じました。