戦術論が盛んなサッカーは、素人でも戦術を語ります。ウイイレをやった事がある人ならみんな最初にフォーメーションシステムで悩みますよね。4-2-3-1か4-1-2-3か、など。
対してバレーボール。戦術論を語るのは戦術家のみ、ライトなファンはもとより、プレイヤーすら戦術に興味が薄かったりします。
ということで、私の周りのバレーボーラーが100%知らなかった(2人中2人)、フォーメーションシステムの表記について書いてみました。
フォーメーションのシステムを示す○-□
○にはアタッカーの数、□はセッターの数が入ります。それだけ。一般的な戦術を見ていきましょう。
5-1システム
5人のアタッカーと1人のセッター、1番よく見るフォーメーションですね。
6-2システム
一般的に「ツーセッター」というと、6-2システムを指します。セッターを担うプレイヤーは2人いますが、後衛のときのみセッターをします。前衛のときはアタッカー。
つまり、6人全員がアタッカーになる、という意味で、6-2という表記になります。常に前衛に3枚のアタッカーがいる、というのがメリットですね。
6-3システム
3セッターという呼ぶシステムですね。ごくたまに高校・大学チームで見ることがあります。
前衛アタッカー3枚はもちろん、ローテーションによって流動的にポジション変えられるメリットはありますが、なんせ難易度が高い。
4-2システム
初心者段階で見かけるシステム。前衛のセッターがセットし、後衛のセッターは守備専門となるシステムです。
セッターが常に前衛にいるので、移動が少なく難易度が低いため、初級レベルで採用されています。
どのローテーションかを示すS1〜S6
(インドア6人制)バレーの特徴的なルールに「ローテーション」があります。自チームがサイドアウトする度にポジションを回していくルールですね
このローテーションが今どの位置かを示すのが、S1/S2/S3/S4/S5/S6という用語です。
セッターが何番目にサーブを打つか
後衛ライトをS1として、1つ前のローテーションがS2となります。後衛ライトからローテーションを回すとS1→S6→S5・・・と回っていきます。え?分かりずらい?
私も最初はしっくり来ませんでしたが、セッター(S)が何番目にサーブを打つかと言う考え方で理解しました。

S:セッター
WS:ウイングスパイカー
MB:ミドルブロッカー
OP:オポジット
S1なら、セッターが1番最初にサーブを打ちます。S6なら、セッターのサーブが最後(6番目)になる、ということですね。セッター基準の言い方なので、基本的にワンセッターでしか使いません。
ちなみにローテーションはバックオーダーを採用しています。バックオーダーって何?っていう方はこちらから。
「S1からスタートね」って言う
S1~S6を具体的にどう使うかというと
- S1からスタートね
- S4のローテが弱点だ
- 1つずらしてS6にしてきたな
こんな風に使います。会場でボソっとつぶやくと、ちょっとツウっぽく見えるかと思います。
その用語、覚えとく必要ある?
このブログでは何度も書いているのですが、「バレー用語を覚えること = バレーを理解すること」です。
「ワンセッター」「ツーセッター」というボキャブラリーしか無い人と、「5-1」「6-2」を知っている人とでは戦術理解度に差がでます。つまりプレイヤーとして、コーチとしての能力に差が出ます。なぜならプレーや状況を言語化できる能力は、状況把握・問題解決能力とイコールだからです。
「ワンセッター」はセッターの数しか表していないのに対し、「5-1」はセッターが1人であることと同時にアタッカーの数も示しています。この違いにお気付きましたでしょうか。同じように「セッターは後衛ライトからスタート」はあくまでも位置しか示していないのに対し、「S1」はセッターの開始位置とサーブ順を意識しているのです。
同じような意味に思えますが、より多くの情報量を示しており、見ている視野が広いということなんですね。
ということで「上手くなるために」「上手く教えるために」バレーボール用語を覚えておく必要があるんです。
まとめ
ハイキュー!!では漫画内で特別に言及はしていませんが、16巻~17巻の「烏野 – 青葉城西 戦」だと
- 青葉城西がサーブ権のあるセットは「烏野(S2) – 青葉城西(S1)」
- 烏野がサーブ権のあるセットは「烏野(S3) – 青葉城西(S2)」
となっています。それぞれのチームの意図がここにはあるはずなので、そのフォーメーションの意図を探りながら読むと、より深く・より楽しく読めるでしょう。
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