チャレンジシステムとは
バレーボールのチャレンジシステムとは、主審の判定に対して異議を唱えてビデオ判定を要求できるシステムのこと。
FIVA(国際バレーボール連盟)が主催の大会で導入されたのは2013年、男子のワールドリーグ・女子のワールドグランプリから試験導入されました。
2014年の世界バレーにて正式に採用。2015年のワールドカップバレーは日本開催だったため、この大会にて知った人も多いかと思います。
チャレンジシステムを使うことを、単に「チャレンジ」と略して使われます。テレビ放送でと「チャレンジする」「チャレンジ成功、チャレンジ失敗」と言う使われ方をしていましたね。
チャレンジシステムのルール
2015年のワールドカップバレーでのルールです。
1セット2回まで
1セットにつき1チーム2回までチャレンジ要求が可能。ただし、チャレンジ成功(主審の判定が覆った)場合は回数が減りません。
→2回失敗するまでは何回でも使える、ってことね。
監督かキャプテンのみ要求できる
要求できるのは監督かコート上のキャプテンのみです。(そもそも抗議はこの2人以外認められていない)
チャレンジ要求できるプレー
チャレンジ要求できるプレーは以下のプレーのみです。
ボールのイン・アウト
アタック時のブロックのワンタッチ、もしくはアンテナへの接触
タッチネット
プレイヤーのライン踏み越し
チャレンジシステムの問題点
ジャッジが冗長になる
ビデオ映像を使用するとはいえ、最終的に判定するのは審判です。審判が1度ジャッジしたものをビデオを見え再度判定するのは、正しい判断をするためとはいえ、冗長過ぎる気がきます。
試合の流れが止まる
チャレンジにより試合の流れが止まる、ということもある。判定には最低でも30秒程度かかります。
通常、ラリーが途切れてから次のラリーが始まるまでは15秒程度と言われています。バレーボールのスピード感はこの間が大事なのですが、チャレンジはこの間を間延びさせてしまうんでね。
タイムアウトですら30秒なので、選手の息を整えるために使うことも出来てしまうんです。実際にワールドカップバレーを見ていても、試合の流れを切るために使っているのでは?と思う場面もありました。
実はこの流れはテレビを見ていても感じることができません。テレビだとその間にリプレイ映像などが流れていますからね。しかし、コート上の選手はしっかり流れを感じているのです。
審判の意義・威厳
ビデオ判定が当たり前になるなら、審判がいる意義が薄くなります。また、ジャッジミスが露わになることで、審判の威厳も損なわれますね。
バレーボールのコートに6×2=12人がおり、審判は6人(主審・副審・線審4人)います。この割合は他の競技に比べるとかなり多いです。これだけの人で見ているのに、ミスジャッジするの?という感想を抱く人も多いはず。
チャレンジシステムの今後
現状はビデオ判定ですが、今後はボールにICチップを埋め込んで、より早く・より正確にジャッジできる仕組みが出来上がるでしょう。
ラインズマン(線審)の撤廃、際どい判定は機械に任せ、主審・副審は試合進行をスムーズに進めることが主な役目になります。
「ミスジャッジも競技のうちだ!」という意見もありますが、ミスジャッジは無い方が良いです。当たり前ですが。
試合の流れを止めることなく、ミスジャッジも無くなることで、バレーボールという競技の魅力がより鮮明になる、私はそう考えています。
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