ケバブとの出会い
20代後半に付き合っていた彼女と花火を見に行った。埼玉県の川口にあるオートレース場か何かだったと記憶している。
近くの - と言っても15分くらい歩いたが - コインパーキングに車を停めて、会場に向かった。歩く途中には花火大会らしく、いろんなお店の外で焼き鳥や綿菓子などを販売していた。
会場に着く前にドーーンッ!!と大きな音がした。花火は既に始まっているのだ。会場近くまで来たが、人が多くて近くまでは行けそうにない。なんとか花火をキレイに見える位置を探したが、これだけの来場者がいるのだからそんな場所はもうないだろう。
多少花火は見にくいが、雰囲気が大事だ。花火大会という雰囲気を楽しむのだ。もっともそれが分かっていたのは、私よりも彼女のほうだろう。
彼女は「あれ何?」と1つの屋台を指差した。「ケバブだね」と、私は答えた。そこに書いてあることを読んだだけだが。
彼女はケバブというものを知らなかったらしい。興味津々でケバブ屋さんに近づく。移動すれば花火は見えなくなる。花火が見えなくてもいいの?私はそんなことを思う。
花より団子ならぬ、花よりケバブ。
花って桜のことだったか。まぁ、いいや。花火よりケバブに興味があるらしいのだから、一緒にケバブを買って食べるのだ。
彼女の興味は、あのでっかい串に刺さった鶏肉だ(鶏肉だよね?)。確かにあの串を回しながら鶏肉を削っていくのは初めて見るのは衝撃的かもしれない。あんな調理の仕方は見たこと無いだろうね。
肝心の味の方だけど、美味しかった、らしい。彼女は辛いのが苦手だが、東欧の独特な味付けを気に入ったようだ。花火大会の雰囲気というのもいいスパイスになっただろう。私はケバブに注目したことが無かったが、このあと彼女とお祭りに行くたびにケバブを食べることになる。(ちょっと言い過ぎ)
で、この時の彼女が現在の妻だ。
牧の原モアにあるケバブ屋さん「eケバブ」
この記事を書いている現在(2016年6月)、牧の原モアに「eケバブ」という移動販売のケバブ屋さんが来ている。場所はヤオコーとマツキヨの前あたりの駐車場。
当然、妻はeケバブに食い付く。2つの意味で。
具だくさんのケバブ。中にもお肉がたっぷり。美味しい。食べ応えもある。1つ食べればお腹いっぱいになる量だ。
移動販売だからいつまで駐車場に居てくれるかは分からない。明日にはいなくなるかもしれない。繁盛しているかも分からない。でも、牧の原モアにいてくれる間はまた買いに行こうと思う。
ケバブのある日常というのは、なかなか良いものなのだ。出来ることなら長くいてくれることを願うのである。